伝説の夜鳴きそばの味を守り続ける名店。
徳島ラーメンのルーツがこの味に凝縮。
「初代はチャルメラを吹くのが苦手だったんですよ。」と、にこやかに語ってくれたのは、「岡本中華」ニ代目の岡本清さん。創業当初、まだ小学生だった清さんは、父である初代に連れられて屋台の手伝いをしチャルメラを吹かされていたとのこと。それはもう55年以上も前の話です。
まだ戦後の混乱が残る中、関西との往来で賑わいのあった小松島で、今や伝説となった「二木弘」という方が作り出した「小松島の夜鳴きそば」の味に影響を受けた初代が、二木氏に指導を受けラーメン作りを学びました。そして知り合いと資本を出し合って引き始めた屋台が「岡本中華」の始まりです。
この二木氏の夜鳴きそばの味をベースに、様々な味が全国各地から持ち込まれ、枝分かれしていった形が現在の徳島ラーメンと言われています。
「寒い日はつらくって・・・」今ではその音を殆ど聞くことができなくなったチャルメラを手に懐かしそうに語る岡本さんが、二代目として引き継いだのは26歳の時。店舗の移転、そして三代目(福井雅人さん)へと引き継ぎながらも、半世紀以上この味は変わっていません。 「岡本中華」創業当時に同じように屋台を引いていたお店が、高齢化などにより次々と廃業、閉店していく中、「いつまでもこの味を守り続けるだけ。」異口同音にそう語るお二人が徳島ラーメンのルーツを守り続けてくれるのでしょう。
豚骨醤油味なのに乳白色、スープは秘伝の味
徳島ラーメンの中では「小松島系」とよばれるスープは乳白色をしています。この秘伝のスープを口にすると、見た目とのギャップに驚くに違いありません。豚骨醤油系の味がしっかりとしていて、深みのあるコクを味わうことができるのですが、後味は意外なことにあっさりしています。
他では食べたことが無いのに懐かく感じるこの独特の味わいは、「ラーメン嫌いだけどココなら美味しく食べられる。」という方が多いのにも頷けます。
数十年来の常連さんがのんびり新聞を読みながら食べている横で、県外客と思われる女性グループが携帯のカメラを構えている。こんな懐の広さも、歴史のある名店ならではの光景だと感じたのでした。
「岡本中華」ラーメンデータ | |
---|---|
おすすめメニュー | ■中華そば肉入り 大・・・ ■中華そば 小・・・ |
スープ | 白色 |
麺(太さ/種類) | 中/ストレート麺 |
肉の種類 | チャーシュー |
普通に入っている具 | チャーシュー、もやし、メンマ、のり |
トッピング | ■生玉子・・・ |
主な他メニュー | ■めし 小・・・ 寿司、ビール、酒等 |
お持ち帰り | 麺・スープ可 |
「岡本中華」お店データ | |
---|---|
住所 | 徳島県小松島市中田町奥林60-1 |
TEL | 0885-32-0653 |
営業時間 | 11:00~20:00(売り切れ次第終了) |
定休日 | 木曜日 |
駐車場 | 20台 |
アクセス | 小松島日赤病院北の県道17号線を徳島市方面へ約1km |
創業 | 1951年(昭和26年) |
ホームページ |